上級 2026-06-18 · 約12分

Clash TUN モードと Fake-IP の深層解説:DNS 漏洩対策と高度な設定ガイド 2026

モダンなネットワークプロキシ環境において、TUN モードFake-IP は、システムレベルのトラフィック制御と超高速な名前解決を実現するための不可欠な技術です。しかし、不適切な設定は DNS 漏洩やネットワークの不安定化を招きます。本ガイドでは、これら 2 つの技術の仕組みを解剖し、2026 年における最適な設定プラクティスを詳説します。

基本概念:なぜ TUN モードと Fake-IP が必要なのか

従来の HTTP プロキシや SOCKS5 プロキシは、アプリケーションがプロキシを明示的にサポートしている必要があります。しかし、多くのゲーム、コマンドラインツール、および一部の企業向けソフトウェアはプロキシ設定を無視します。ここで TUN モード の出番です。

  • TUN モード:OS レベルで仮想ネットワークカード(TUN デバイス)を作成し、すべての IP パケットを Clash カーネルに強制的にルーティングします。これにより、プロキシ非対応アプリのトラフィックも捕捉可能になります。
  • Fake-IP:DNS 解決の際、Clash が即座に「偽の IP アドレス(通常は 198.18.x.x)」を返し、実際の名前解決をプロキシサーバー側に委ねる仕組みです。これにより、ローカルでの DNS 待機時間をゼロにし、DNS 汚染を完全に回避します。

TUN モードの仕組みとスタック選択

TUN モードを設定する際、最も重要なのはネットワークスタック(Stack)の選択です。Clash (Mihomo コア) では主に systemgvisormixed が提供されています。

スタックの特性比較

  • system:OS 標準のスタックを使用。パフォーマンスは高いが、一部の環境で互換性に課題。
  • gvisor:ユーザー空間でのスタック実装。セキュリティと安定性が極めて高く、最も推奨される選択肢。
  • mixed:複数のスタックを組み合わせたハイブリッド。特殊な環境向け。

2026 年現在、大半の Windows および macOS ユーザーには gvisor スタックの使用を推奨します。これは、カーネルリソースへの直接干渉を最小限に抑えつつ、安定したパケット転送を可能にするためです。

Fake-IP 環境下での DNS 解決フロー

Fake-IP モードが有効な場合、ブラウザが google.com を開こうとすると以下のプロセスが発生します:

  1. ブラウザが OS に DNS 照会を送る。
  2. Clash が google.com に対して 198.18.0.1 という Fake-IP を即座に返す。
  3. ブラウザは 198.18.0.1 に対して接続を開始する。
  4. Clash はそのパケットを受け取り、内部の対応表(Fake-IP Table)を参照して google.com であることを特定。
  5. Clash がプロキシサーバーに対し、「google.com に接続してくれ」と依頼する(名前解決はサーバー側で行われる)。

メリット:DNS 汚染の無効化

ローカルで実際の DNS 解決を行わないため、ISP による DNS 改ざんやブロックが物理的に不可能になります。

DNS 漏洩:原因と完全な防御策

「TUN モードを使っているのに DNS 漏洩テストで ISP の DNS が表示される」という問題は、多くのユーザーが直面する課題です。これは通常、OS の マルチホーム DNS 解決IPv6 優先 設定が原因です。

重要:IPv6 の取り扱い

多くのプロキシサーバーは IPv6 に完全対応していません。DNS 漏洩を防ぐ最も確実な方法は、Clash 設定で ipv6: false にし、OS 側でも IPv6 を無効化することです。

また、Windows の場合、system-dns 設定を false にし、Clash が提供する DNS サーバーのみを使用するように強制することが不可欠です。

高度な YAML 設定例:2026 年最適化版

以下は、TUN モードと Fake-IP を組み合わせた、パフォーマンスとセキュリティを両立させる高度な設定テンプレートです。

tun:
  enable: true
  stack: gvisor
  dns-hijack:
    - "any:53"
  auto-route: true
  auto-detect-interface: true

dns:
  enable: true
  ipv6: false
  enhanced-mode: fake-ip
  fake-ip-range: 198.18.0.1/16
  listen: 0.0.0.0:53
  nameserver:
    - https://dns.google/dns-query
    - https://1.1.1.1/dns-query
  proxy-server-nameserver:
    - 8.8.8.8
  fake-ip-filter:
    - "+.lan"
    - "+.local"

fake-ip-filter は非常に重要です。ローカルネットワーク内のデバイス(プリンターや NAS)へのアクセスは Fake-IP を適用せず、直接解決させる必要があります。

よくある質問 (FAQ)

TUN モードとシステムプロキシは同時に使えますか?

はい、可能ですが推奨されません。TUN モードはすべてのトラフィックを捕捉するため、システムプロキシをオンにすると二重に処理され、オーバーヘッドが発生したり、特定のアプリで無限ループが発生したりする可能性があります。TUN モードが正常に動いているなら、システムプロキシはオフで構いません。

Fake-IP を使うと特定のゲームでラグが発生します。

一部のゲーム(特に P2P 接続を使用するもの)は、Fake-IP 帯域を不正な IP と判断したり、接続に失敗したりすることがあります。その場合は、ゲームのドメインや IP 範囲を fake-ip-filter に追加して、Fake-IP の対象外にしてください。

stack: system と gvisor のどちらが良いですか?

2026 年のハードウェア環境では、gvisor のオーバーヘッドは無視できるレベルです。安定性を重視するなら gvisor を、極限のベンチマーク数値を求めるなら system を選んでください。

さらに詳しい設定については、以下の記事も参考にしてください: 《Clash で接続済みだがネットが繋がらない問題の解決法》、 《Clash for Windows 完全セットアップガイド》、 《OpenWrt で OpenClash を使用したホームネットワークの構築》。

まとめ

  1. TUN モードはプロキシ非対応アプリを救済する最強の手段である。
  2. Fake-IP は DNS 汚染を回避し、レスポンスを高速化するが、ローカルフィルタの設定が重要である。
  3. DNS 漏洩を防ぐには、IPv6 を無効化し、gvisor スタックを利用するのが 2026 年のスタンダードである。

市販の多くの VPN ツールは、ユーザーにブラックボックス的な操作を強いますが、Clash は TUN モードや DNS 解決フローを細かく制御できる透明性を持っています。設定は一見複雑ですが、一度最適な設定を構築すれば、どのようなネットワーク環境下でもセキュアで高速なブラウジングが可能になります。

設定のデバッグに疲れたら、一度原点に戻り、シンプルなプロファイルから TUN モードを有効化してみてください。最新の Clash クライアントを導入することで、これらの複雑な設定も数クリックで完了させることができます。 Clashを無料でダウンロードして、次世代のネットワーク体験を始めましょう。

ネットワークの自由をその手に

TUN モードと Fake-IP を完全にサポートした最新の Clash クライアントで、ストレスのないインターネットを実現しましょう。

Clashを無料ダウンロード(Windows / macOS)