設定 2026年8月1日 · 約14分

ゲーマー向けClash設定:Steam・Epicの海外マルチを快適化

海外マルチプレイを楽しみたい人向けに、Clashをゲーム用途へ調整する方法を解説します。SteamやEpicの通信だけを適切に振り分け、ダウンロードと対戦時の安定性を両立させます。

Steam・Epicのゲーム通信をClashで分ける理由

海外サーバーのゲームをプレイするときは、ゲーム本体の通信、ランチャーのログイン、アップデートファイルの取得、ボイスチャット、ブラウザ表示など、複数の通信が同時に発生します。すべてを同じプロキシへ送れば簡単に見えますが、実際にはダウンロードまで海外ノードを経由して速度を落としたり、対戦中にノードが混雑して遅延が増えたりすることがあります。

Clashのルールモードを使うと、SteamやEpic Gamesに関係するドメインだけを指定した出口へ振り分けることができます。国内のゲームサーバーや一般サイトはDIRECT、海外マルチプレイと必要な認証通信はプロキシ、巨大なゲーム更新ファイルは状況に応じて別の経路へ送る、という構成です。重要なのは、プロキシを有効にすること自体ではなく、通信の種類ごとに経路を設計することです。

ただし、ゲームの通信先はタイトルや地域、アップデート時期によって変化します。SteamとEpicのドメインを登録しただけで、すべてのゲーム通信が自動的にプロキシへ入るとは限りません。接続ログを見ながら不足しているドメインを確認し、必要な範囲だけルールへ追加するのが安全です。

ゲーム用途に適したモードとノードの選び方

最初にClashの動作モードを確認します。通常はRuleモードが最も扱いやすく、ゲーム以外の通信を必要以上にプロキシへ送らずに済みます。Globalモードは原因の切り分けには便利ですが、Windows Updateやゲームの大容量ダウンロードまで同じノードを通るため、日常利用では負荷が高くなりがちです。

  • Rule:Steam・Epic・特定ゲームだけをプロキシへ送りたい場合に推奨。
  • Global:ルールが原因かどうかを一時的に確認するためのテスト用。
  • Direct:国内サーバーや、プロキシを使うと不安定になるサービスの確認に使用。
  • TUN:システムプロキシに対応していないゲームも取り込みたい場合に有効。ただし管理者権限、仮想ネットワークアダプター、他のVPNとの競合に注意。

ノードは単純な速度テストの数値だけで決めないでください。対戦ゲームではダウンロード速度よりも、遅延、ジッター、パケットロス、混雑時間帯の安定性が重要です。ゲームサーバーに近い地域のノードを選び、同じノードを数回テストして結果が大きく変動しないものを優先します。Pingが低くてもパケットロスが多ければ、キャラクターの位置が巻き戻る、操作反応が遅れる、ボイスチャットが途切れるといった問題につながります。

ヒント:ゲーム内の表示遅延だけでなく、Clashの接続ログとノードの遅延テストを一緒に確認してください。ゲームがプロキシを通っていても、経路の途中で混雑していれば体感は改善しません。

Steam・Epic Games向けの基本ルール

ルールは上から順番に評価されます。具体的なゲームドメインを先に置き、最後に一般的な海外サイトやMATCHを置くのが基本です。SteamやEpic Gamesのすべての配信ドメインを無条件にプロキシへ送ると、ゲーム購入やログインは安定しても、アップデートが遅くなる場合があります。そのため、まずはサービスの主要ドメインを対象にし、実際の接続ログで不足分を補います。

rules:
  - DOMAIN-SUFFIX,steampowered.com,GAME
  - DOMAIN-SUFFIX,steamcommunity.com,GAME
  - DOMAIN-SUFFIX,steamcontent.com,GAME
  - DOMAIN-SUFFIX,epicgames.com,GAME
  - DOMAIN-SUFFIX,epicgames.dev,GAME
  - DOMAIN-SUFFIX,unrealengine.com,GAME
  - MATCH,DIRECT

上の例で使っているGAMEはプロキシグループ名の一例です。実際の設定ファイルに同名のグループがない場合は、使用中のグループ名へ置き換えてください。グループ名はプロバイダの設定によって「PROXY」「海外」「自動選択」など異なります。

通信の種類 初期設定の考え方 確認ポイント
ランチャーのログイン Steam・Epicの認証ドメインをプロキシ ログイン画面の読み込みと認証エラー
ゲーム本体の対戦通信 ゲーム固有のドメインや地域ルールを追加 ゲーム内のPing、切断、パケットロス
アップデートと購入 速度を優先してDIRECTも比較 ダウンロード速度と失敗の有無
ボイスチャット ゲームと同じ経路または安定した別グループ 音声の遅延、途切れ、接続拒否

ゲームタイトルによっては、ランチャーのドメインと実際の対戦サーバーのドメインが完全に別です。Steamのログインが成功しても、ゲーム内のマッチングだけ失敗するなら、Clashの接続画面でゲームを起動した時刻の通信を確認してください。IPアドレスしか表示されない場合は、GEOIPやIP-CIDRのルールが必要になることもあります。ただし、広いIP範囲をプロキシへ送ると関係のないサービスまで巻き込むため、プロバイダが提供するゲーム用ルールセットを利用できる場合は、その内容を確認してから使うとよいでしょう。

実際にClashをゲーム向けに設定する手順

  1. 設定をバックアップする:現在のYAMLやプロファイルを複製し、変更前の状態へ戻せるようにします。
  2. Clashクライアントを更新する:WindowsではClash Verge Rev、対応するコアではMihomoなど、現在利用できるクライアントとコアの組み合わせを確認します。
  3. ゲーム用プロキシグループを作る:低遅延のノードを複数登録し、手動選択またはURLテストで切り替えられるようにします。
  4. Ruleモードを選ぶ:システムプロキシを有効にし、ゲームランチャーの起動前にClashのコアが稼働していることを確認します。
  5. SteamまたはEpicを起動する:接続画面を開き、ログイン、ストア、ライブラリ更新の各通信が想定したグループへ入っているか確認します。
  6. ゲームを起動して記録する:マッチング、サーバー参加、対戦中、終了時の順にログを確認し、DIRECTになっている通信が必要か判断します。
  7. 一度に一つだけ変更する:ルール、DNS、TUN、ノードを同時に変更すると原因が分からなくなります。変更ごとにゲームを再起動して比較してください。

Windows版ゲームでシステムプロキシだけでは通信を捕捉できない場合は、TUNモードを試します。TUNを有効にすると、ブラウザのようにプロキシ設定を読むアプリだけでなく、独自の通信方式を使うゲームも取り込める可能性があります。一方で、別のVPN、仮想マシン、アンチチート、セキュリティソフトと競合することがあります。起動できない、ゲームが落ちる、ネットワークアダプターが増えるといった症状が出たら、TUNを無効にして原因を切り分けてください。

DNS設定も無視できません。SteamやEpicのドメインが誤ったIPへ解決されると、ルールが正しくても接続先が不適切になる場合があります。ClashのDNSを使用する構成では、fake-ipとredir-hostの互換性をゲームごとに確認します。LAN機器、ゲーム機との共有、古いタイトルなどで問題が出た場合は、バックアップを取ったうえでredir-hostへ切り替えて比較する方法が有効です。

遅延・切断・ダウンロード低速の切り分け

対戦中の遅延が大きい場合、すぐに「Clashが遅い」と決めつけないことが大切です。ゲームサーバー自体の混雑、遠い地域へのマッチング、Wi-Fiの干渉、バックグラウンド更新、ノードの帯域制限など、複数の要因があります。まずゲーム内のサーバー地域を固定できるなら、近い地域を選びます。そのうえで同じ条件のままノードだけを変更し、結果を比較してください。

  • ログに接続がない:ゲームがシステムプロキシを使っていない可能性があります。TUN、ゲームの独自ランチャー、ファイアウォールを確認します。
  • 接続先がDIRECT:ルールが不足しているか、より上位のルールに先に一致しています。ルールの順序を確認します。
  • 頻繁にタイムアウトする:ノードの混雑、DNS解決、MTU、IPv6経路を順番に比較します。
  • 更新だけ遅い:ゲーム通信と配信CDNを同じプロキシへ送っている可能性があります。ダウンロードはDIRECTにして安定性を比較します。
  • マッチング後に切断する:認証と対戦通信の出口地域が一致していない、またはUDP通信が対応していない可能性があります。

注意:対戦ゲームでは、遅延を下げる目的で無理に遠い海外ノードへ接続すると、かえって経路が長くなることがあります。プロキシを通すことが常に高速化を意味するわけではないため、DIRECTとの実測比較を必ず行ってください。

また、ゲームのアップデート中に対戦を始めると、帯域を奪われて遅延が増えます。SteamやEpicの自動更新を一時停止し、Clashの接続画面で大容量通信が続いていないか確認しましょう。ルーターのQoSやWindowsの配信最適化が有効な場合も、同じ回線を使う他の端末との競合が起こります。問題を再現する時間、選んだノード、ゲーム地域、接続方式をメモしておくと、プロバイダへ相談するときにも役立ちます。

よくある質問

Steamをプロキシにすれば、ゲームも必ずプロキシされますか?

必ずしもそうではありません。Steamのランチャー通信とゲーム本体の通信は、別のドメインやIPアドレスを使うことがあります。Clashの接続ログでゲーム起動後の通信を確認し、必要なルールを追加してください。

ゲームのダウンロードだけDIRECTにしても問題ありませんか?

配信CDNへ通常接続でき、ダウンロードに失敗しない環境であれば問題ありません。対戦や認証だけをプロキシへ送り、更新ファイルはDIRECTにすることで、速度とノード負荷のバランスを取りやすくなります。

TUNモードは必ず有効にする必要がありますか?

ブラウザやランチャーがシステムプロキシを利用しているなら、まずはRuleモードとシステムプロキシだけで試せます。ゲームが接続ログに現れない場合や、独自通信を使うタイトルではTUNが役立ちますが、アンチチートや他のVPNとの相性を確認してください。

どのノードを選ぶとゲームが安定しますか?

地域的に近く、遅延とパケットロスが少ないノードが基本です。瞬間的な速度より、数回のテストで結果が安定していること、混雑する時間帯でも切断しにくいことを重視してください。

単純なVPNアプリではアプリごとの振り分けが難しく、ゲームの対戦は通ってもランチャー更新やボイスチャットが同じ経路に固定され、速度や安定性を犠牲にすることがあります。ClashならSteam・Epic・ゲーム本体・配信CDNをルールで分け、ノード選択、TUN、DNS、接続ログまで一つの画面で調整できます。海外マルチを必要な通信だけで快適に楽しみたい方は、設定をバックアップしてからClashを試してみてください。

Clashを無料でダウンロード

Clash向けVPN選びを始める

購読リンク、ノード、ルールを一つの画面で管理し、サービスを比較しながら使えます。

Clashを無料ダウンロード(Windows)