Windows 10 で Clash Verge Rev を導入する:SmartScreen から初回購読・接続まで
Clash Verge Rev は、mihomo(旧 Clash Meta 系)を GUI で運用しやすくした Windows 向けクライアントのひとつです。Windows 10 では、インストーラー取得直後の Microsoft Defender SmartScreen、初回起動時の ユーザーアカウント制御(UAC)、そして zip/ポータブル配布を選んだ場合の 展開先フォルダの権限 が、検索クエリでも多い「途中で止まる」ポイントになります。本記事は「正しいビルドを入手する → 警告に落ち着いて応答する → コアと購読を揃える → システムプロキシでブラウザが開く」までを、Win11 版記事(「Clash Verge Rev · Windows 11 導入」)と同系統の流れにしつつ、Win10 の設定画面の行き方やポータブル運用の注意も足して整理します。
Clash Verge Rev と Mihomo を Windows 10 で使う意味
Verge Rev は、ルールベースの .yaml プロファイルと購読 URL を画面から更新し、必要に応じて OS のプロキシ設定へ値を書き込みます。実際にパケットを処理するエンジンとして Mihomo を前提にすると、比較的新しいプロトコルやルール記法との相性を一気に揃えやすいです。Windows 10 は 2026 年時点でも国内・企業端末に残存しており、「OS は 10 のまま GUI クライアントだけ変えたい」という利用形態は珍しくありません。初日で押さえるべきは、「入手した exe が本当に想定リリースか」「SmartScreen を踏んだあとも実行を続けてよいか」「今アクティブなプロファイルはどれか」「OS へプロキシが反映されているか」という四点です。
別のデスクトップ向け実装である Mihomo Party を Win10 で試す手順は「Mihomo Party · Windows 10 導入」に寄せて書いてあり、SmartScreen や購読まわりの勘所は本稿とも重なります。Menu の名前は異なりますが、初回セットアップの論点はほぼ共通なので、行き詰まったら相互に見比べると早いです。用語全般はレガシーな Clash for Windows 記事である「Clash for Windows 設定ガイド」が近い座標になります。
始める前に揃えるもの
チェックリスト
- Windows 10(64 ビットが一般的)で、昇格可能なユーザー、または許可された管理者アカウント。
- GitHub の Releases など、説明とファイルが一致して追跡できる入手経路(検索広告だけの「ダウンロードサイト」は避ける)。
https://で YAML を返す 購読 URL。ダッシュボードのログイン URL ではなく、表示される購読専用の直リンクを使います。- zip 配布を展開する場合は 7-Zip など、書き込み権限のある展開先(後述)。
- ほかのプロキシ常駐ソフトがある場合は ポート衝突 に注意(mixed/HTTP ポートの重複)。
購読が「プロキシ越しでしか取れない」レスポンスしか返さないと、初回だけ鶏卵状態になります。モバイル回線のテーザリングや一時的な別回線で URL を確定させ、以降はローカル更新に任せるのが現実的です。URL を公共チャットに丸ごと貼らない、スクリーンショットにクエリトークンを写さない、といった運用はどのクライアントでも同じです。
ダウンロードとファイルの身元確認
Releases ページで、自分の CPU(多くは x64)に合うパッケージを選びます。名前に setup や nsis が付く exe はウィザード型、portable や単体 zip は展開運用が中心です。公開されているチェックサムがあればローカルで照合し、バージョン文字列がリリースノートと一致しているかも見ます。ブラウザのダウンロード履歴に「同名だがサイズが違う」ファイルが複数残っていないかも、SmartScreen を何度も踏むときの典型原因です。
ヒント
企業端末ではセキュリティ製品が「不明な開発元」を一律ブロックします。個人利用でも、IT 部門の例外申請が必要か先に確認してから作業すると戻りが少なくなります。
SmartScreen と Windows セキュリティでの扱い
Windows 10 でも、未確立の評判の exe には Microsoft Defender SmartScreen が出ます。「PC が保護されました」と止まったら、まず ダウンロード元の URL が公式ツリーかを確認します。発行者情報が空白や未知でも、オープンソースのコミュニティビルドではよくあることですが、それは「入手経路が正しいこと」とは別問題です。意図したファイルであればダイアログの 詳細情報 から実行へ進みます。逆に、クラックや「版権回避」の文言があるパッケージは、警告の有無にかかわらず捨ててください。
Windows セキュリティ の「ウイルスと脅威の防止」で隔離履歴を見ると、ヒューリスティックに引っかかっただけ、というケースもあります。ただし隔離を解除するのは、身元が確認できたファイルに限るべきです。SmartScreen を無効化する全体ポリシーまで広げるのはリスクが大きいので、基本はファイル単位の判断に留めます。
注意
プロキシ権限を持つアプリは、悪意あるビルドにすり替えられると通信全体がさらされます。検索上位の「まとめサイト」だけを信頼して exe を実行しないでください。
インストール/展開先、UAC、ファイアウォール、初回起動
セットアップ exe を選んだ場合は、ウィザードでショートカット作成とインストール先を確認します。ポータブル zip を選んだ場合は、自分のユーザープロファイル配下 など書き込みできる場所に展開するのが安全です。デスクトップ直置きでも動くことが多いですが、OneDrive の同期対象フォルダでは競合やロックで購読キャッシュが壊れる例があります。Program Files 直以下に手で置くと、更新時に昇格が必要になって面倒になることもあるので、特別な理由がなければユーザーフォルダを選びます。
初回起動で UAC が上がったら、プロンプトに表示される実行ファイルのパスが、さきほど展開/インストールした場所と一致しているかを見てから承認します。Windows Defender ファイアウォール がプライベート/パブリックの許可を尋ねたら、ローカル ループバックのプロキシだけを使う典型構成ならプライベートのみ許可する、といった切り分けができます。起動後、トレイアイコンやスタートメニューから GUI を開けるかを確認します。Windows 10 のスタート画面は 11 より情報量が少ない分、ピン留めしておくと再訪が楽です。
Mihomo(Meta)コアの位置づけ
Verge Rev では mihomo を既定コアとして使うのが一般的です。購読に vless や hysteria、tuic などが含まれる場合、単一の Premium 実装だけでは読めないことがあります。設定でコアを切り替えられる UI では、変更のたびに 再起動またはフルリロード を行い、古いプロセスが残ってポートだけ古い、という状態を防ぎます。「ログ上は購読成功だがノードが古い」というときも、コアとプロファイルの組み合わせを疑うと早いです。
実践
最初の疎通は Rule とシステムプロキシだけに絞ると切り分けが速いです。TUN や DNS の上書きを同時に触ると変数が増え、原因特定が難しくなります。
購読のインポートとアクティブなプロファイル
プロファイル/購読 相当の画面を開き、URL を貼って ダウンロード/更新 を実行します。成功メッセージの裏でログに失敗が出ていないかも見ます。ノードが空のままなら、ブラウザで当該 URL を開き、YAML が返っているか(ログインページへ飛ばされていないか)を確認します。コピー時に紛れ込んだ空白や改行、期限の切れたトークンもよくある典型ミスです。
- 購読を追加し、エラーが消えて更新完了するまで待つ。
- 一覧から いま使うプロファイル を選び、アクティブ状態にする(UI のハイライトや「使用」ボタンに従う)。
- プロキシ/ノード 画面でゼロ件でないことを確認する。
- 自動更新間隔を現実的な値(例:12〜24 時間)へ置き、陳腐化したノード定義を溜めない。
「ファイルは取り込んだのに通信が DIRECT のまま」という相談の多くは、アクティブなプロファイルの選び忘れ です。バックグラウンドに新しい購読だけ取り込んで、表示上は古い構成のまま、という状態に気づきにくいので、ここは毎回明示的に確認してください。
システムプロキシと TUN(Windows 10)
システムプロキシ をオンにすると、ブラウザなどシステム設定を尊重するアプリのトラフィックが、Clash のローカルリスナーへ流れます。Verge Rev のトグルから OS の手動プロキシを更新する構成が一般的です。Win10 では 設定 → ネットワークとインターネット → プロキシ を開き、127.0.0.1 と期待ポートが入っているかを確認できます。古い手順書に「コントロール パネル経由」と書いてあっても、最終的にここに値が載っていれば十分です。
TUN は仮想アダプタでアプリ横断の取り込みを行いますが、企業 VPN や別フィルタドライバと競合すると不安定になりがちです。まずシステムプロキシで海外/国内の振る舞いを見てから足すのが無難です。UWP ストアアプリだけ通らないときは「Windows UWP と TUN/ループバック」を参照してください。ポートが他製品と被っている場合は、過去に入れた別クライアントの名残プロセスもタスクマネージャーで確認します。
初回接続の確認手順
すべてのスイッチを一度に入れないほうが切り分けは速いです。まず Rule で代表的な海外ドメインと国内ドメインをブラウザで開き、期待どおり振り分けられるか見ます。同梱の 遅延テスト で出口に到達性があるか確認し、ログに connection refused や i/o timeout が連発するならノード/ポート側、ページは真っ白だがログが静かなら DNS や fake-ip 側、という分岐が有効です。DNS 特化の整理は「接続されているのにインターネットにならない:DNS と fake-ip」に譲ります。
終了後に OS のプロキシが戻らないときは「終了後にシステムプロキシを戻す」を使って掃除できます。再インストールの前に、アクティブプロファイル・コア種別・OS のプロキシ表示の三点を見る方がだいたい早いです。
うまくいかないときのチェック項目
SmartScreen を繰り返し踏む
ダウンロード元が混線していないか、中間のセキュリティプロキシがファイルを書き換えていないかを疑います。ブラウザ拡張のダウンロードマネージャが別パスへ保存していないかも含めて確認してください。
システムプロキシはオンなのにブラウザだけ通らない
設定アプリのプロキシ画面でアドレスとポートが期待どおりか見ます。ブラウザ側の独立したプロキシ設定や拡張が上書きしていないかも併せて確認してください。
ポータブル版だけ設定が保存されない
展開先が読み取り専用ネットワークドライブや同期フォルダになっていないか、実効 ACL で書き込みが拒否されていないかを見ます。ユーザーの Documents 以下へ移すと直ることが多いです。
よくある質問
Q. SmartScreen を完全に無効にしたいです。
セキュリティ上おすすめしません。ファイル単位で正規ビルドかを判断し、必要なら企業ポリシーで例外を申請する運用の方が安全です。個人環境でも全体オフは最終手段に留めてください。
Q. 購読 URL は入れたのに遅延テストが全滅します。
アクティブプロファイル、mihomo コア、ローカルポート占有、ノード自体の生存を順に見ます。別回線でも再現するかで、出口かローカルかを切り分けられます。
Q. TUN を使うと管理者やドライバの話が出ます。
TUN はスタック深部に入るため、インストールやサービスが絡むことがあります。既存 VPN と競合する場合はどちらかに寄せるか、分割トンネルを見直します。最初はシステムプロキシ運用を徹底し、必要になってから TUN を足すのがおすすめです。
まとめ:Win10 で最初の一歩を最短にする順序
- Releases など追跡可能な経路から Windows x64 用パッケージを取得し、ハッシュとバージョンを確認する。
- SmartScreen/Defender を正しく通過し、UAC とファイアウォールの許可を整理する。
- 展開先・インストール先を書き込み可能な場所に置き、ポータブルなら同期フォルダを避ける。
- mihomo 系コアを前提に購読を取り込み、アクティブなプロファイル を確定させる。
- システムプロキシ と
Ruleでブラウザ疎通を確認してから、必要なら TUN を足す。
名称だけ変わったリパッケージや、更新が追いづらいフォーク群では、SmartScreen を通過しても中身が古い・設定項目が不足する・購読形式の解釈が追いつかない、といった差が出やすいです。ドキュメントとバイナリの対応が追いにくい環境ほど、初日から手戻りが増えがちです。
Clash は、公式の入手経路とリリースノートを軸に据えやすく、ルール設計やクライアント選定の判断材料を揃えやすいのが長所です。説明の一貫性が保てるほど、SmartScreen 以前の段階で「何を入れたか」を自分で説明しやすくなります。
まずは自分の Win10 環境で再現しやすい手順から試したい場合、入手ページでクライアントと導線を確認してから進めると安心です。興味があれば Clash をダウンロード し、公式ルートから体験してみてください。
Windows 向けクライアントを公式ルートから
ダウンロードページでは、メンテナンス状況の分かりやすいクライアントと、初回プロファイル取得のヒントをまとめています。
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